木造軸組工法住宅の許容応力度設計2008年版の計算内容
●令3章3節の仕様規定
令46条の壁量の検討
(地震力と風圧力に対する必要壁量の計算)
令46条第4項に基づく平12建告1352号の壁の釣り合い良い配置の検討
(四分割法、あるいは、偏心率≦0.3の検討計算)
令47条接合部に基づく平12建告1460号第一の筋かいの仕様の確認
令47条接合部に基づく平12建告1460号第二の柱頭柱脚接合部仕様の確認
(柱の短期軸力に対する柱頭柱脚接合部の許容引張耐力の検定計算)
●許容応力度計算
地震力の算定(令88条による)
風圧力の算定(令87条による)
水平力に対する耐力壁の許容せん断力の検定
(鉛直構面の剛性と許容せん断耐力の計算)
(地震力・風圧力に対する鉛直構面の検定)
柱の短期軸力に対する柱頭柱脚接合部の許容引張耐力の検定
(柱頭柱脚接合部の引抜力の計算)
(柱頭柱脚接合部の許容引張耐力の検定)
水平力に対する水平構面および横架材接合部の検定
(水平構面の剛性と許容せん断耐力の計算)
(地震力・風圧力に対する水平構面の検定)
(横架材接合部の引抜力の計算)
(横架材接合部の許容引張耐力の検定)
土台の曲げとアンカ−ボルトの引張、および、せん断の検定
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木三郎4における許容応力度計算への対応について
計算及び出力項目
●耐力壁の設計
仕様規定の対応
地震力に対する所要壁長Lnの計算
地震に対する必要壁量=床面積×係数(軽い屋根・重い屋根による数値)
建物の当核階・方向に存在する耐力壁の壁倍率×壁長=存在壁量
必要壁量より存在壁量が大きいことをチェック
風圧力に対する所要壁長Lnの計算
風圧力に対する必要壁量=見付面積×係数(見付面積による数値)
建物の当核階・方向に存在する受風面積×壁長=存在壁量
必要壁量より存在壁量が大きいことをチェック
令46条に定める所要壁長Lnに対する有効壁長Ldの比率
有効壁長Ld÷所要壁長Lnにより1.0より大きいことを判定
●壁量充足率の検討
存在壁量と壁量充足率(地震力による) (風圧力による)
各階毎に、各方向の全長の1/4ごとに壁量充足率を求めそれぞれの方向で数値が0.5以上であることを確認する。
●水平力に対する耐力壁の算定
地震力の算定
Ai分布より地震力を計算
風圧力の算定
受風面積より計算
耐力壁の耐力算定
梁上に載る耐力壁の剛性低減係数の算出
2階以上の耐力壁要素において、耐力要素の両側の柱のうち少なくとも1本が下部
横架材のスパンの中間部にあり、その支点からの距離の小さい方が85cmを超えるもの
に対する耐力壁が上階に存在する場合の剛性低減係数を算出
●重心・剛心・偏心率と鉛直構面の計算(各方向共左右両加力の検討)
重心の計算
地震力の計算時に各階・各通り毎に集計する。
風荷重に付いては、各階の壁のある通り毎に分解し集計する
剛心の計算
各階・各方向別に耐力壁の剛性を計算する。
偏心率の計算
重心・剛心より偏心率の計算を行い、0.3以下であることを確認する。
ねじれ補正と鉛直構面の検討
偏心率の計算より、各階・各方向別に計算を行いねじれ補正を行い,ねじれ補正係数を算出します。
@地震力に対する鉛直構面の検定
イ.地震力の算定で計算した当該階の地震力を用いて、当該階・方向のj通りの鉛直構面の負担地震力を算出
ここでは偏心によるねじれを考慮した割増係数を以下の値とする。
偏心率の計算において、当該方向の偏心率が0.15以下である場合:Ce=1
0.15を超え0.3以下の場合:@)、A)のいづれか
@)Ce=各通りにおけるねじれ補正係数αの値(ただし、1未満の場合は1とする)
A)Ce=0.5+5/3×偏心率
ロ.上記の負担地震力が短期許容せん断耐力を超えないことを確かめる。
負担地震力
地震に対するj通り鉛直構面の検定比=――――――――――≦1.0
短期許容せん断耐力
A風圧力に対する鉛直構面の検定
イ.風圧力の算定計算した当該階・方向の風圧力を用いて、j通りの鉛直構面の負担風圧力を下式によって算出
ロ.上記の負担風圧力が短期許容せん断耐力を超えないことを確かめる。
負担地震力
風圧力に対するj通り鉛直構面の検定比=―――――――――――≦1.0 短期許容せん断耐力
短期荷重時応力図および断面検定比図の出力作成
当プログラムは、出力結果として、 短期荷重時断面応力図
短期荷重時断面検定比図
を作成し、伏図形式により計算書へ出力を行う。
●水平構面の負担水平力に対する検討(各方向共左右両加力の検討)
通り別重量の算定
各階・各方向別に地震力荷重を計算する。
各階・各方向別に風圧力荷重を計算する。
床倍率の設定
各階の床倍率を伏図入力により、配置を行う
水平構面の許容せん断力
各階・各方向別の床倍率より許容せん断力の計算書に用いる金物リストより算出する。
水平構面の負担水平力に対する検定
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)において、床倍率という新たに必要な強度が示された。
水平構面に求められる強度は、壁線の間隔と水平力との関係から求める。
計算内容
1.剛床仮定にもとづき、水平構面に加わる地震時せん断力を求める、風圧力に対するせん断力を求める。
各階毎に、各]・Y方向の耐力線間の地震荷重wj・風圧力WQi求める。
2.床倍率を各階の床に配置入力した床倍率を使用する。
3.水平構面の許容せん断耐力を求める。
許容せん断耐力Qa=床倍率×L×1.96kN/m
4.ねじれ補正で求めた負担地震力Qw・ねじれ補正係数αe使用する。
ねじれ補正で求めた負担風圧力QEiw・ねじれ補正係数αw使用する。
5.Pij=αe×Wij×C’i(各階の層せん断力係数)
Pij=αw×WQj
6,せん断力Qi上端=負担地震力―Pij
7.せん断力Qi下端=Qi上端―Pij
8.判定 Qi/Qa<1.00
●軸力
水平力による耐力壁の応力図
各軸組図に壁の許容せん断力を表示し、出力を行う。
柱の長期軸力
各階ごとに、梁伝達による、柱の軸力の計算を行う。
水平力による軸力・引き抜き
各階ごとに、水平力の軸力を方向別に算出し、長期軸力との組み合わせにより、引き抜き力を算出する。
●各部の設計
柱の設計・断面検定
長期軸力・短期軸力・長期座屈許容耐力・短期座屈許容耐力・柱断面積を求め
地震・風圧・積雪時における判定を行う。
また、めり込みについても、長期・中長期・中短期・短期について、許容応力度のチェックを行う。
梁・桁・胴差の設計・断面検定
梁材は、部材ごとに、長期荷重・短期荷重より、曲げ、せん断、たわみの検討を行う。
組み合わせは、長期・長期+地震(水平・直交)・長期+風圧(水平・直交)
たる木・母屋の設計
各部材入力を指定し、個別処理にて対応する。
●接合部の設計(各方向共左右両加力の検討)
浮き上がりの検討
鉛直構面の柱頭柱脚接合部の引抜力は、終局時に耐力壁よりも接合部が先行破壊しないように、当核階の耐力壁が短期許容せん断耐力に達した状態のときの柱軸力を計算しなければならない。計算方法は、N値計算法に準拠した方法として、耐力壁の負担せん断力によって接する柱に生じる軸力を求め、鉛直荷重による柱軸力の押さえ効果などを考慮し、計算を行う。
軸力による浮上り力VTは、以下の計算をします。
N値計算法に準拠した方法
当核柱の両側における耐力壁等の単位長さあたりの短期許容せん断耐力の差 ただし、加力方向に対して 圧縮筋かいか引張筋かいかを判断した短期許容せん断耐力を用いる
Vs=ΔQa
鉛直荷重により当該柱に加わる圧縮力・すべての柱について上階からの荷重の流れを
加算しても止めた柱軸力(地震用設計荷重を採用)
VL=Nw
VT=VL -Vs × β (kN)
Vs :耐力壁の回転による軸力の合計 (kN)
β :浮上がりに対して建物全体が押さえこむ効果を考慮した係数
耐力壁線の外端部β=0.8耐力壁線の内部β=0.5)
VL :耐力壁間の押えに有効な長期軸力の合計 (kN)
接合部伏図
N値計算法に準拠した方法より求めたせん断耐力より、柱頭柱脚接合部金物を選択し
各階伏図形式で、柱位置に金物記号を出力
水平力に対する土台の曲げとアンカ−ボルトの検定
基礎梁配置により、基礎梁位置におけるアンカ−ボルトのせん断耐力検定・短期許容引張耐力の検定を自動計算 処理する。
柱脚の引抜力による土台の曲げ応力の検定
●基礎の設計
基礎反力図
基礎梁の配置入力(立ち上がり幅・立ち上がり高さ・床荷重負担幅・フーチング幅・追加荷重など)により計 算を行う。
出力は、べた基礎伏図・布基礎伏図
布基礎の設計・べた基礎の設計
個別処理により、計算を行う。(基礎情報の自動設定)により建物総重量など転送可
地中梁の設計
個別処理により、計算を行う。
面材張り大壁・真壁の詳細設計
面材張り耐力要素の詳細計算法を用いる釘配列所定数の計算
面材張り床水平構面・屋根水平構面の詳細設計
面材と根太を止める釘による剛性と耐力より計算
●その他
転倒の検討
地震時・風圧時それぞれの転倒の計算を行う。
層間変形角・剛性率
層間変形角 各階の層間変形角を求める。
剛性率 各階の層間変形角の逆数より、剛性率を計算する。
屋根葺き材等の検討
(1) 屋根葺き材の構造計算
令82条の4に従い、屋根葺き材の短期許容引き上げ荷重(※1)が、屋根葺き
材に作用する風力圧Wを上回っていることを確認することにより行います。
※1 「一般事項2」屋根葺き材・短期許容引き上げ荷重(N/m2)
※屋根葺き材の構造計算は、軒先、けらば、棟など加わる風圧力や屋根葺き材の
留め付け仕様が異なる部位ごとに行うことが望ましいが、最も条件が厳しい部位
のみを計算し、それ以外の部位は省略する。
(2) 屋根葺き材に作用する風圧力の計算(平12建告1458号)
屋根葺き材に作用する風圧力W(N/m2)は、下式によって計算します。
W = q・Cf
q:平均速度圧(N/m2) @式で計算する。
q=0.6Er^2V0^2 ・・・・・@
●チェックリストの出力
令3章3節の仕様規定
水平力と令46条
鉛直荷重と局部荷重
地盤と基礎
の4部より(財)日本住宅・木材技術センタ−・フォ−マット構成により、入力を行い、出力を行う